記事: つける位置によって指輪の役割は変わる?それぞれの指が持つ意味とは

つける位置によって指輪の役割は変わる?それぞれの指が持つ意味とは
手に装着した指輪は動くアクセサリーとしての役割だけでなく、重要なメッセージを発します。指輪が示すセンスの良し悪し、はめる指輪によって既婚・未婚を含めた立場をも暗示します。これが指輪装着の魅力の一つであり、さりげない無言の意思表示でもあります。その意味で指輪は、アクセサリーを超えた自己主張の役割を果たすこともあります。
指輪のルーツ、
人はなぜ指輪を付けるのか?

指輪のきらめきが人々の心を捉えるようになる前は、物々交換品として使用されており、その後に貨幣として長いあいだ使われていました。
魔法、科学そして宗教が絡み合っていた時代、中世の人たちは信仰のしるしとして、お守りとして、あるいは「病気を治す」目的で身につけられることも。
とは言え、指輪の大多数はオシャレのために身につけられていたようで、当時の肖像画を見ると、親指や第一関節にまで、すべての指に指輪がはめられています。指だけでなく、首飾りにつけられていたり、手首に結びつけられていたり、帽子に取りつけられているものもありました。
それぞれの指が持つ意味
それぞれの指がもつ大まかな意味は、下図のとおりです。

指輪を装着する指については俗説があるのですが、基本的には左右の手問わず、親指〜小指の5本指で大きく意味が異なるのでそれについて解説します。
親指(the thumb)

親指にはめる指輪はサムリングといわれ、強い支配欲や意志の力を表します。帝政期のローマを生きたプリニウスも、古代ローマでは婚約指輪意外の指輪は、親指にはめると幸運を呼ぶと記しています。男性の支配者が親指に装着することが多いが、女性の場合もあります。
人差し指(the index finger)

英語の意味どおり、指示する場合に用いる指とされています。人差し指は古代ローマの最高神ジュピターの指といわれ、指揮者のシンボルとして知られています。人差し指に指輪をはめると性格が活発化するとされていました。かつて王侯の多くは人差し指に権力の象徴として指輪をはめていましたが、ルネサンス期までは婚約・結婚指輪を人差し指にはめる習慣がありました。
中指(the middle finger)

ヨーロッパでは16世紀ごろまで、中指に指輪をはめるのはタブー視され、中指輪に指輪をはめることを避けていました。中指に指輪をはめると「馬鹿」とみなされるという俗説があったからです。
しかし、それも時代の経緯とともに変化し、現在の日本では未婚の場合、中指に指輪をはめることが多いです。それによって未婚と解釈されることがあり、また手の中で中指は一番長く目立つため、結婚のチャンスを待つという俗説もあります。
薬指(the ring finger)

古代ギリシャや古代ローマでは、左手薬指に結婚指輪をはめる習慣が定着していました。エジプトの古文書によると、左手薬指が動脈で心臓と繋がっていると信じられていたためで、左手薬指の指輪をはめると二人をつなぎとめることができるという俗信があったからとされています。そういったルーツから結婚指輪の文化史においては、薬指がもっとも重要視されています。
また、薬指はヨーロッパでは軟膏を塗る指で薬師如来の指とされていることから薬指と称され、日本でも同様に薬指と呼ばれています。紅を塗る指とされたりもしていました。左右の薬指には婚約・結婚指輪をはめるので、逆に未婚の女性の場合、男性に言い寄られるのを嫌う人が、自己防衛のために意図的に薬指に指輪をはめることもありました。
小指(the little finger)

ピンキーリングとよばれ、現在ではかなり普及していますね。俗説では右のピンキーリングは幸運を呼び寄せ、左はそれを保持するといわれています。さらに左手の小指の指輪は、出会いのチャンスを願う意味ももちます。
結婚指輪の文化史
古代ローマ時代から確認できる婚約指輪は、契約成立の証拠品として男性から女声へ贈られるというかたちでおこなわれ、指輪の交換はまだ定着していませんでしたが、それが中世には婚約指輪と結婚指輪に分化し、贈与から交換へと変化していきました。
前述のように古代ギリシャの俗説では、心臓から左手薬指に導管(血管)が通っており、それは愛の導管と考えられていました。結婚の際にその左手薬指に指輪をはめ、愛のシンボルにしていたと言われています。

男たちは女性の左手に結婚指輪をはめたが、これは女たちの魔力を封じ、女たちの心をつなぎとめておくためだった
引用元:神話・伝承事典
左手薬指の結婚指輪は世界共通ではない
結婚指輪を装着する指は、実は世界共通ではありません。しかし、ユダヤ教徒以外はおおむね薬指に結婚指輪を装着することは全世界に共通しています。
ゲルマン系やスラブ系の国々では、右手薬指に装着します。ドイツやオーストリアでは、婚約時の指輪は左手薬指に、結婚すると右手薬指に変えることが多いようです。
ご自身にぴったりな
リングパワーを見つけてみてください
このように指輪のルーツや規則は国や時代によってさまざま移り変わりゆくものですが、時代背景を知ると指輪をつける楽しさもひとしおです。
ROZILICAのリングコレクションを見る|ROZILICA Ring Collection
ご自身のいまの状況にぴったりの意味をもつ指が見つかりましたら、ぜひその指に指輪をつけてみてくださいね。