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最高のメガネの話がしたいんだけど、どっちから話そう?

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副交感神経が劣位
副交感神経が劣位
最高のメガネの話がしたいんだけど、どっちから話そう?

わたくしメガネフェチなのですが、久々にヘビロテできるメガネに出会えたのでお披露目させてください。

話したい軸が2つあります。
1つは、このレンズの話。もう1つは、フレームの話。

まずは「レンズ」の話からしましょう。

VAVA eyewearの黒縁メガネとケース VAVA eyewear WL0069 正面写真

VAVA eyewear / WL0069

私たちの目は、限界を超えている

ブルーライトカットのレンズというものがありますね。カット率が強いとレンズに色味がかかったり、レンズの薄さを選べなくなったり、取り入れてもあまり効果を実感できなかったり。
ずっとそう思っていたんですが、今回あつらえたのは「アシストレンズ」を入れたPC作業用のメガネです。

最近よく聞く「スマホ老眼」という言葉、ご存知でしょうか。
20代、30代でも、長時間のスマホやPC作業によって目のピント調節機能が疲弊し、老眼のような症状が出ること。夕方になると近くの文字がぼやける、目がかすむ、頭痛がする。思い当たる人も多いのではないでしょうか。

目の筋肉って、遠くを見るときはリラックスしていて、近くを見るときはずっと緊張している状態なのだそうです。

目の筋肉の仕組み図解:近くを見ると筋肉は緊張している

PC作業を多くする私たちは仕事中、モニターという「近く」を何時間も見続けています。つまり、目の筋肉はずっとファイティングポーズをとったまま。筋トレでダンベルを持ち上げ続けているような状態です。
しかも現代人は、仕事が終わってもスマホを見る。電車でもスマホを見る。寝る前もスマホを見る。目の筋肉が休まる時間が、ほとんどないわけです。
そりゃあ、疲れるわけです。

通常のメガネやコンタクトレンズは「遠くがよく見える」ように作られているので、手元の作業に対しては、実はオーバースペックなんですね。遠くを見るための矯正をしたまま近くを見続けている。目にとっては、余計な負荷がかかっている状態です。

通常レンズの図解:手元の作業には不向き

アシストレンズという選択肢

そこで「アシストレンズ」です。
見た目はクリアな一枚のレンズ。レンズの下半分にわずかな度数差(0.5〜0.75程度)が加えられています。これにより、手元20cmから60cm、まさにPCやスマホを操作する距離が、格段に楽になる。

遠くを見るときは普通のメガネと同じ。でも視線を落として手元を見るときだけ、目の筋肉をそっとサポートしてくれる。
「サポートレンズ」「リラックスレンズ」などとも呼ばれていて、実は眼鏡業界では以前からある技術なのだそうです。ただ、一般にはあまり知られていない。私も今回、眼鏡を作りに行って初めて知りました。

半信半疑で使い始めたんですが、けっこー衝撃でした。

16時間ぶっ続けで仕事できそう

正直に言うと、私はだいぶ鈍感なほうです。
使い始めてすぐの頃は、「なんとなく頭痛が減ったような…?」と感じる程度でした。
プラスになったというより、マイナスがゼロになったような静かな変化。

でも、ある日。たまたま夜遅くまで作業をしていた日に、ふと気づいたんです。目の疲労が来ていないことに。

コンタクトをしている人なら分かってくれると思うんですが、寝不足の時や長時間作業していると、夕方くらいに目が限界を迎える瞬間がありますよね。
モニターの光が暴力的に眩しく感じて、目がシパシパして、開けていられない。勝手に涙が滲んでくる。瞬きの回数が増えて、集中力が途切れる。あの感じ。

あれが、訪れなかったんです。

そもそも症状が出ないから気づきづらかった。このメガネをかけている間は、目の体力が温存され続けている感覚です。

ある日、うっかりメガネをかけずに作業をしてしまい、夕方に目がシパシパし始めたとき、慌ててこのメガネをかけたらスッと視界が落ち着きました。
「あ、ずっと守られていたんだ」と、その時初めて、このレンズの凄みを理解しました。

鈍感な私でもさすがに実感できるレベル。ハードワークに厳しいご時世ですが、まじで16時間ぶっ続けで仕事できそう。
いや冗談抜きに、現代を生きる人にとって必須のアイテムなのかもしれない。

蔵前・折角堂という眼鏡店

そんな魔法のようなレンズを入れてもらったのが、蔵前にある「折角堂(せっかくどう)」という眼鏡屋さんです。

蔵前という街は、近年カフェや雑貨店が増えて「東京のブルックリン」なんて呼ばれることもありますが、折角堂はその喧騒からは少し離れた場所に、静かに佇んでいます。
派手な看板もなく、知らなければ通り過ぎてしまうような。でも、入ってみると、厳選されたフレームが整然と並んでいる。独自の審美眼で選ばれたラインナップ。

私はこの店の存在をわりと前から知っていて、インスタで流れてくる美しいフレームをスクショしては、スマホの「欲しいものフォルダ」に溜め込んでいました。いつか実物を見に行きたいな、と先延ばしになってしまいましたが。

服はもっぱら通販で買い物する人間ですが、眼鏡だけは必ず試着してから買うようにしています。顔の形から診断とかも何度も試したのですが、あれがしっくりきた経験がなく。
眼鏡は顔の一部となるので、写真で見るのと実際にかけるのとでは印象がまったく違いますよね。自分のペースで思う存分試着を試しました。

VAVA eyewearとの出会い

欲しいものフォルダに入っていたフレームもかなり気に入ったのですが、それ以上にビビビッときたフレームが「VAVA eyewear(ヴァヴァ アイウェア)」というブランドでした。

それまで名前も知らなかった。
調べてみると、2013年にベルリンで誕生したブランド。ポルトガル出身のクリエイティブ・ディレクター、ペドロ・ダ・シルヴァ氏が設立し、テクノ音楽、そして未来派やミニマリズムといった芸術思想からインスピレーションを受けているそうです。

さらに興味深いのは、生産体制。
イタリアの小規模な家族経営の工場でハンドメイドされていて、大量生産を避けることで創造の自由と品質を保証しているとのこと。店員さん曰くデザイナーが建築家らしく、建築家の隈研吾氏とコラボレーションした実績もあるそう。

日本では取り扱い店舗が少なく、知る人ぞ知るブランド。
折角堂は、その数少ない取り扱い店の一つです。

VAVA eyewear ヒンジ部分のディテール

選んだのは「WL0069」というモデル。
真ん丸のラウンドシェイプなんですが、レトロにはならない。ヒンジやブリッジに少しインダストリアルな構築的なディテールがあって、バウハウス的な機能美を感じます。眼鏡というより、小さな建築物のような佇まい。

そして何より、フロント素材がプラスチック(アセテート)なので、質量を感じさせないほど軽い。
仕事道具として長時間肌に乗せるものだから、軽いのは嬉しすぎる。

白シャツのポケットに掛けたVAVA eyewear

道具が変われば、景色が変わる

眺めているだけで気分が上がる、美しいフレーム。
そして、ハードワークな日々を黙って支えてくれる、機能的なレンズ。

片方だけじゃなくて、この2つが揃ったからこそ「最高の一本」になりました。

PCに向かう時間が長い人。スマホを手放せない人。夕方になると目がつらくなる人。
もし、日々の目の疲れに「仕方ない」と慣れてしまっているのなら……

アシストレンズという選択肢があること。
VAVA eyewearというブランドがあること。
蔵前に折角堂という眼鏡屋さんがあること。

この3つを、知っておいて損はないと思います。

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