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すいぺんへのゆるっと愛

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うど
うど
すいぺんへのゆるっと愛

JR東日本のSuicaの券面キャラクターでお馴染みのペンギン(通称、すいぺん)ですが、来年度末でSuicaから卒業してしまうとのこと。本人は卒業に触れてませんが、すいぺん卒業を知らないわけではないので安心してお読みください。

すいぺんを見ていると、胸の奥がふっと温かくなる。
さっきまでざわついていた心が、ゆるっとほどけていく。
かわいいのに、ただの“かわいい”では片付けられない——ほかのキャラにはない独特の魅力がある。
考えていることが読めない、無機質で、不思議な存在。その静かな佇まいに、私はゆっくりとハマっていった。

高校生の頃からずっとSuicaのICカードを使っていたから、すいぺんとの出会いはとっくの昔。でも、気になり始めたのは大学生になって、地方から都内の大学まで通っていた頃だったような。

乗り換えでよく使っていた東京駅。
ちょうどいい時間の電車を待っていたとき、ふと視界の端にSuicaのペンギンのショップが見えた。「へえ、あのペンギンのお店ってあるんだ?」と、グッズ化されていることに軽く衝撃を受けた。
人通りのほうへ向けて並べられた商品たちが目に留まり、そのまま吸い寄せられるように店に入った。

そこで初めて買ったのが、やさしい水色のハンカチ。ワンポイントで入っているすいぺんに、一瞬で心を持っていかれた。
そのハンカチは、買ってからずいぶん経つのに今もきれいなまま手元にある。お気に入りすぎて、もったいなくてほとんど使えてない。

ちなみにSuicaのペンギンは、もともと坂崎千春さんの絵本に登場するペンギンが起用されたもの。
絵本の中のペンギンたちには名前があるけれど、Suicaに採用されるときに「あえてキャラクターには名前をつけない」という方針になったらしい。
だから私は勝手に“すいぺん”と呼んでいる。

キャラクターの愛で方にはいろんな種類があるけれど、私が「ゆるっと愛」と思っている理由はここにある。
とにかくたくさんのアイテムを集めたい!という感じではなくて、生活で必要なもののなかで最大限に楽しんでいるだけなのだ。
必要な範囲で楽しんでいるので、気づけばハンカチのような日用品が増えていくけれど、すきなキャラを携帯できるって、幸せだなと思う。
その限られた範疇の中で心がぱんっぱんに満たされれば、わたしはそれで満足だ。

最近買った実用的なお気に入りアイテム紹介

ひとつめ:マルチケース

表と裏で絵柄が違うのが本当にかわいい。グレーの子も大好きだ。
私はこれをアクセサリーケースとして使っている。

リングは手を洗うときやハンドクリームを塗るときに外すことが多いから、ハードケースで持ち歩けるのは安心。
レザーのツヤっとした感じが、わたしのなかのすいぺんの解釈と一致していてお気に入りだ。

ふたつめ:ルームウェア

仕事終わりに「ペンスタ」に寄っては、商品を物色している日々。
寒くなってきた頃に店頭に並んでいたルームウェアに一目惚れ。いままで、すいぺんのウェアに手を出したことはなかったのだが、ついに……!
ほっこり和むイラストはニットのような素材で、ナチュラルカラーの身頃はもこもこであたたかい。計算されたかわいさにこりゃ完敗。見ても着ても幸せだ。

思い出に残っているイベントの話

イベントも年々増えてきているが、私は行きたいものだけ行くスタイル。
でも、行くと決めたら全力で参加権を勝ち取る。戦いだ……!

ここでは、いままで参加した中で特に思い出に残っているふたつを紹介。
どちらも池袋のホテルメトロポリタンでのイベントだ。

ひとつめ:Suicaのペンギンクッキー缶&トートバッグがもらえるGo To トラベル宿泊プラン

「Go To トラベル」…もう懐かしい響き。この頃はいろんなホテルに気軽にホカンスしていたなあ。

今は販売されていない、すいぺんのクッキー缶。これがほしくてたまらなかった。
そんなときに見つけた最強プラン。もう泊まる以外の選択肢がなかった。

憧れのクッキー缶。
ホテルの部屋で開封してみたものの、もったいなくてその場では食べられず。帰宅してからお気に入りのお皿に並べて、大事に大事に食べたっけ。

うれしい気持ちだけでなく、味まで鮮明に覚えてるってすごいことだなと思う。
ホテルがメインじゃなくて、特典がメインで宿泊するなんて、人生で最初で最後かもしれない。あ、でもまた同じプランが出たら泊まりたい。

ふたつめ:Suicaのペンギン 夏祭り サマービュッフェ

ビュッフェは複数回開催されているが、今年が初参加になった。予約は平日の昼間頃だったので、午前有給をいただいて、争奪戦に参加した。(本気)
うれしいことにボリューミーな内容だったので、一部を紹介。

かわいすぎてどうにかなりそうなメニューたち

うちわの右隣、これ何かわかりますか?

正解は……お好み焼き!真っ黒だけど味は全部おいしい。

夏祭りらしくヨーヨーやスーパーボールすくいの出店もあったよ

全種類とれなくても、最後にぜんぶくれるスタッフさん。
やさしい世界。

あ、こんなところにもすいぺん!ってみつけるのも楽しかった

回の終盤に、すいぺん着ぐるみと写真撮影ができる抽選会が始まるということで、どきどき。でもこういうくじ運はないので期待はゼロ。
そんな中、トップバッターで呼ばれたわたしの席!!!
なにがうれしいって、このくじは、すいぺん自ら席番号が書かれた札を釣り方式で選んだもの。うれしすぎる。

別会場に呼ばれて、写真撮影。迎えてくれる場面をスタッフさんが動画を撮ってくれていた。

ブンブンと手を振ってくれるすいぺん

生の着ぐるみを見たのはこの日がはじめてだったけど、ふわふわしてて想像より小さくてかわいかったなあ。

会場には、すいぺん柄の浴衣を着た女の子や、テーブルを埋め尽くす数のすいぺんぬいぐるみを並べてるお父さんもいれば、NO装備の方もたくさん。
それぞれが自分なりのすいぺんの愛し方をしていて、とても微笑ましい空間だった。

おわりに:ゆるっと続くすいぺん愛

気づけば、私の日常のちいさなところにすいぺんがいるなあと。
意識して距離を決めているわけじゃなく、気づいたら自然とそういう関わり方になっていた。

グッズを大量に集めなくてもいいし、イベントを全部追いかける必要もない。
気が向いたときに手に取ったり、行きたいと思ったら参加したり、そんなゆるいペースが、わたしにはしっくりきている。駅のいたるところで出会えるすいぺんも、大好きだ。

これからも、生活のどこかでふっと目に入るたびに、「なんかいいな」と思うんだろうな。でも、環境が変わったら、あたりまえのように見られなくなるのかな……そんなふうに少しさみしく感じることもある。

それでも、今のこの自然な距離感がやっぱり好きだ。
これからも、ゆるっと続いていけばいいなと思う。

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